拾い物のコンパス

まともに書いたメモ

サイボウズの開発インターンに参加してきた

サイボウズで行われている開発インターンに3週間行ってきた.何をしたのかを含めて振り返りを書き残す.

きっかけ

就職が近くなってきて,どこか行かなきゃとは思うけどどこにいったらいいのかわからない.
周りの人は有名企業のエリートコースを狙って頑張っているが,それらの職業は上流過ぎて今持っている技術力は全然活かせそうにない.(でも稼ぎたい)
技術を活かしたり,磨くのが好きだから,これができるであろうエンジニアとして働くことを考え,職業としてのエンジニアを深く見たいからちょっと長めで現場で働けるインターンを探した.
いくつか候補は見つけた中で,IPAのセキュリティイベントでよく聞く川合秀実さんのいるサイボウズに興味を持ち,行ってみた.因みに,行く前のサイボウズに対する印象は

開発インターンは通年で募集している.kintoneというWebサービスの開発チームと一緒に機能の拡張や実装を行っていくインターン
デフォルトは10日間だが,実装に心残りが出ると思ったため,もう一週間長くやりたいと言うだけ言ってみた.向こうも考えてくれた上で受け入れてくれた.有り難い.
勤務地はサイボウズの本社支社がある,東京・大阪・松山のどれかを希望できる.比較的近い大阪支社に行かせてもらった.離れた場所に住んでいても,部屋を手配してもらうことは可能らしい.
余談だが,インターン期間中は1日1万円の報酬がついている.本職エンジニアの技や生活を学べる上にお金をもらえるなんて素晴らしい.

大阪支社の場所

阪急梅田駅から直進徒歩5分もかからない場所にある阪急梅田ビルの35階.屋上駐車場を見下ろすことができる高さで,見晴らしはムスカ大佐.雨で霧がかかっている日は街が3割増し幻想的に見えた.画像は夕方. f:id:poppycompass:20170310020017j:plain

kintoneについて

f:id:poppycompass:20170310013715g:plain kintoneというサービスについて軽い説明をする.(インターン前はkintoneの名前・有用性がよくわかっていなかった)
サイボウズが提供しているサービスは「Office」「Live」「Garoon」「kintone」などがある.それぞれグループを作って会話したり,予定管理をまとめることができたりする.
kintoneはSlackみたいなチャット機能に加えて,テーマなどをまとめるスレッド・スペースを管理できる.大きな特徴として,kintoneでは既存のパーツなどを使って目的に応じたアプリを作成することができる.例えば,製品開発の進捗を行単位のレコードで表すアプリを作成したいときには,任意の数の列や選択を設定することができる. 使い込む時間はなかったが,データ管理については柔軟性が非常に大きいと思う.仕事向きに作られているから,学生の間では利点が伝わりにくいのが残念.

主に使うのはチャット機能で,色んな人の投稿を眺めることができる.数時間見ないでいると50件以上溜まったりするから驚くが,一覧にすると見やすいから問題はない.
インターン中は自分のつぶやきスペースで思いついたことをつぶやいたり,わからないことを質問すると誰かが答えてくれた.
サイボウズのアメニティグッズにキリンやゴリラがプリントされることがあるから,てっきりイメージキャラクターだと思っていたが,現場のエンジニア曰く公式キャラはいないらしい.黄色いからキリンがキャラだと思っていた.

職場の雰囲気

メンター(主に教えてくれる人)は非常に丁寧に対応してくれる人で,こちらの細かな質問にも一つ一つ答えてくれた.
周りの社員の方々がそれぞれの就職に対する考え方についても教えてくれたので,非常に参考になった. 経営理念として,「チームワークあふれる社会を創る」とあり,それを実現していることを実感した.

社長挨拶 | サイボウズ株式会社

kintoneでつぶやくと,近くの席の人が直接話しかけてくることもあって楽しかった.東京のエンジニアから返事が来ることもあり,自社製品で全社をしっかり繋いでいる印象だった.
概ねいい場所だが,難点も当然ある.それは質問する時.メンターの人が在宅勤務や出張などでいないときは,チャット機能を使って質問することになる.直接話すときと違い,タイプや考えることでレスポンスが遅くなるため,ストレスを感じることもあった.これを解決するためにテレビ電話があるが,インターン中は使い方がよくわからず放置してしまった.早めに使えばよかった・・・.
在宅勤務は仕事に集中できるのかという質問をしてみたところ,「在宅だとリミッターが外れて出社するよりも仕事が進んで止められない.そんな人間を採用しているから大丈夫」といった返答をいただいた.理由がとってもサイボウズ

メンターはこちらの質問の本質を探して,その問題を解決するためにより効率的なアプローチを提案してくることが多かったように思う.質問した内容にそのまま答えるよりも良い返答だと感じた.本質を探す真似をしてみようと思ったが,上手く行かなかった.まだまだ未熟.
当然社員の方々はバリバリの実装マンで実力主義な雰囲気を感じた.

やったこと

これを繰り返す感じ.途中で寿司を食べながら自分の好きなことについて話すイベントもあった.スクラム開発は最近サイボウズでやり始めた,短期的に進捗を確認しながら仕様などを見直していく開発工程のこと.語源はラグビー
一週間に一回kintone開発チーム全体に進捗を発表する時間を設けてもらって,そこで何をやっているかを発表していく.本職の人にコメントをもらえるので,非常に励みになった.

出来事

サイボウズでの日々をもう少し詳しく書いておく.

1週目

  • 環境の準備
  • kintoneをローカルで立ち上げる
  • kintoneを触りながら,改善できそうな部分を探す
  • テーマ決め
  • スクラム開発の基礎を勉強

5日間のインターンだと社員さんが用意している課題を勧められることが多いらしいが,時間があるとのことでじっくり考えることができた.
スクラムでやることについては,スクラムマスターという資格を持った社員さんが自発的に教えてくれた.有り難い.
覚えることが多かったり,慣れない職場で帰るとすぐ寝ていた.

2週目

  • PBL/SBLの作成
  • 実装・コードレビュー・リファクタリング 社員さんに自分の書いたコードがゴリゴリ綺麗な構文になっていくのは気持ちが良かった.コードの行数が少ないって素晴らしいって改めて思う.

まだ一週間あるため,実装に集中できる一番平和な期間だった.周りを見渡す余裕が出てきて,会社の日常を味わえるようになってくる.長めのインターンの醍醐味はここだと思う.

3週目

  • 実装
  • ローカル環境が壊れる
  • Gitをrebaseしようとして,山ほどの衝突が起きてつらい
  • テスト用に作成したデータが検証の途中で初期化される
  • 資料の作成が終わらない

先週のペースなら余裕と思っていたら,インターン終了前日にローカルkintoneクラッシュから始まる悪夢の行進.最終成果発表1時間前に必死に資料を作っていた.
大切な発表は,2日前までに資料を作成し,前日は発表練習に充てましょう.
最後は送別会まで開いてもらった.

小話

  • インターン生はランチ代の補助が出る日がある.ランチパスポートがあると安く抑えられそう
  • 資料作成用にMacを貸してもらっていたが,"kintone"といれると,ことえりの自動変換で"intone" or “kenton"になる

    • この変換をバイパスするには"KIntone" or “kinTone"がおすすめ(そもそも変換をGoogleのやつに切り替えれば解決する)
  • スタンディングデスクが来た! f:id:poppycompass:20170310015838j:plain

    • 画像はインターン期間中に来たスタンディングデスク.立ったまま使うための机.椅子を持ってきて,わざわざ椅子に座ってスタンディングデスクを使う猛者もいた.スタンディングデスクで立ったままプログラムを組んでみたが,足に力を入れながらタイプする経験があまりなかったから新鮮だった.レベルの高い立ち読みという印象.マウスを落とすと高さ2倍で威力も大きいというkintoneへの投稿もあった.
  • サイボウズ内では「マッスル部」という部活があるほど筋トレや運動に対して積極的だった.ずっと座っているから体の衰えが気になってくる(切実).就業中に流れてくるつぶやきもマッスル部が多かった印象がある.内容はどのプロテインが美味しかったとか,自分の筋トレメニューを解説していたりしていた.コード調査に疲れたときに元気をもらっていた.

筋トレ用具を常備している人もいる. f:id:poppycompass:20170310020149j:plain

  • カフェ部というものもあり,屋上駐車場よりも高い眺めを一望できるラウンジで弁当と一緒にコーヒーや紅茶を嗜む.
    • バレンタインや最終日に開いていただいて美味しいコーヒー・紅茶を味わった

恩恵

  • サイボウズでエンジニアの生活を実感できる(働きやすい!)
  • 一週間以上行くことで,会社の普段の雰囲気をつかめてくる
  • 大規模プログラムを触ることができる
  • 報酬あり(1万/日)

興味が出た人へ

言語はJava, Javascript, CSS, HTML, SQLといったWebの基礎知識があったほうが良い.無いならないでその場で聞くなり,触って感じればいい.

インターンの面接は実力をよく見られた印象がある.今までに何を作ってきたのかを説明したり見せることができると良さそう.
でも,興味があるのなら実力がついてから応募しようなんて難しいことを考えずにとりあえず応募してみると良いと思う.その後はなるようになる.

インターンシップ | サイボウズ 採用情報(新卒・キャリア)

最後に

働くと起きている時間の殆どを仕事に使うことになる.仕事を好きになれないと辛いことになりそうだから,興味を持って働ける場所に行きたいと思う.
インターンでは,研究室にこもっているだけでは到底出会えない経験をさせてもらった.言葉では言い表せない感謝を忘れないようにしたい.

サイボウズ

  • エンジニアが過ごしやすい雰囲気
  • 在宅勤務などの新しい働き方を積極的に取り入れている
  • 社員さんのレベルが高くて尊敬できる!
  • 筋肉に興味があるならマッスル部

な会社です.

最後にサイボウズで関わってくださった皆様,3週間ありがとうございました!